海外安全対策情報(2018年1月~3月分)

平成30年4月13日
1 社会・治安情勢
当地は政治的に安定しており,また,現在のところ治安情勢に悪影響を及ぼす反政府勢力等の動きは見られない。昨今,各国にて発生するテロ情勢に鑑み,当地においてもテロが発生する蓋然性が高いことから,駅,空港,大型商業施設等の不特定多数の者が集まる公共施設等の場所を訪れる際には,不測の事態に巻き込まれることがないように周囲の状況に注意を払う必要がある。
 
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)一般的治安情勢に関しては,サハリン州の各地において殺人事件や傷害事件等の重大事件が顕著に発生しており,これら事件は,飲酒に起因して発生しているものが多い。また,薬物の違法所持事件も後を絶たない状況にある。今期,邦人被害事案の発生はなかったものの,引続き当地治安情勢へ留意することが必要である。
(2)治安当局の発表によれば,2017年にサハリン州において治安当局が認知し,登録された犯罪件数は11,449件であり,前年と比較すると799件減少に転じた。  全体の犯罪件数は減少に転じているものの,その犯罪種別の内訳を見ると,強姦及び強姦未遂(前年比の2.9倍),殺人及び殺人未遂,重度傷害,粗暴行為,薬物違法流通といった凶悪事件の発生件数が増加に転じた。 これら犯罪は,当地在留邦人,旅行者及び当館館員の生活に直接脅威となり得るものであり,当地の治安情勢は,引き続き予断を許さない状況である。
(3)主な犯罪内訳(括弧内は2016年を100%とした比)
ア 殺人及び殺人未遂:60件(105.3%)
イ 重度傷害:174件(108.8%)
ウ 強姦及び強姦未遂:26件(290%)
エ 強盗:21件(65.6%)
オ 略奪:227件(84.7%)
カ 窃盗:3,928件(82.8%)
キ 詐欺:1,060件(97.0%)
ク 粗暴行為:7件(116.7%)
ケ 薬物違法流通:1,110件(119.7%)
(4)また,2017年,ロシア検事総局が発表した資料によると当地人口10万人当たりの犯罪発生件数が,2,022件であり,この数値はロシア全連邦構成主体の中で第3位に位置しており,当地の犯罪発生率が極めて高い水準にあることを示している。
(5)邦人被害事案
なし
(6)邦人以外の被害事案(殺人・放火等凶悪犯罪の事例)
ア 窃盗
サハリン州内の各地で発生しており,ピストル様のものを利用して夫婦宅に押し入り金品を窃取した事件,知人宅や交際中の女性宅から日用品を窃取した事件,修理工場や車庫に押し入り金品等を窃取した事件,質屋から宝飾品を窃取した事件等が各地で発生している。
イ 殺人,殺人未遂,傷害事件
飲酒に起因した事件が多く発生しており,友人等との飲酒中に口論となり,殺害に至った事件やトラブルが発生している。
ウ 詐欺事件
人気のあるインターネットサイトの掲示板を利用し,利用者から金銭を騙し取る事件が発生している。
エ 銃器・薬物流通事件
サハリン州内の各地で発生しており,内務省警察官による職務質問時に乗車する車内から自己消費目的による薬物所持が発覚した事件,薬物の製造していた組織を拘束した事案,個人利用の目的で知人から譲り受けた銃や爆薬を違法に所持した事案が各地で発生している。
 
3 日本企業の安全に係る諸問題
なし