海外安全対策情報(2018年4月~6月分)

平成30年7月17日

1 社会・治安情勢

  サハリン州及びユジノサハリンスク市内は,政治的に安定しており,また,現在のところ治安情勢に影響を及ぼす大規模な反政府勢力の活動は見られない。他面,昨今,各国で発生しているテロ情勢に鑑み,当地でもテロが発生する蓋然性が高いことから,駅,空港,大型商業施設等の不特定多数の者が集まる公共施設等の場所を訪れる際には,不測の事態に巻き込まれることがないように周囲の状況に注意を払う必要がある。
 
 

2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向

(1)治安当局の発表によれば,2017年にサハリン州において治安当局が認知し,登録された犯罪件数は11,449件であり,前年と比較すると799件減少に転じた。全体の犯罪件数は減少に転じているものの,その犯罪種別の内訳を見ると,強姦及び強姦未遂(前年比の2.9倍),殺人及び殺人未遂,重度傷害,粗暴行為,薬物違法流通といった凶悪事件の発生件数が増加に転じた。これら犯罪は,当地在留邦人,旅行者等の生活に直接脅威となり得るものであり,当地の治安情勢は,引き続き予断を許さない状況である。
(2)主な犯罪内訳(括弧内は2016年を100%とした比)
ア 殺人及び殺人未遂:60件(105.3%)
イ 重度傷害:174件(108.8%)
ウ 強姦及び強姦未遂:26件(290%)
エ 強盗:21件(65.6%)
オ 略奪:227件(84.7%)
カ 窃盗:3,928件(82.8%)
キ 詐欺:1,060件(97.0%)
ク 粗暴行為:7件(116.7%)
ケ 薬物違法流通:1,110件(119.7%)
(3)また,2017年,ロシア検事総局が発表した資料によると,当地人口10万人当たりの犯罪発生件数が,2,022件であり,この数値はロシア全連邦構成主体の中で第3位に位置しており,当地の犯罪発生率が極めて高い水準にあることを示している。
(4)邦人被害事案
なし
(5)邦人以外の被害事案
ア 窃盗事件
サハリン州内の各地で発生しており,施錠していない車両や住宅窓から侵入して金品等を窃取した事件,交際中の女性を脅して女性の勤務先に侵入して金品等を窃取した事件等が各地で発生している。
イ 銃器・薬物流通事件
サハリン州内の各地で発生しており,自己消費目的で薬物を不法に所持していた事案,インターネットサイトを介して薬物を購入して不法に所持していた事案が各地で発生している。
 
 

3 日本企業の安全に係る諸問題

  なし