北海道の緊急事態宣言を受けた,日本からサハリンに到着する外国人へのサハリン州政府の対応
【ポイント】
● サハリン州政府の発表によると, サハリン州は,3月5日以降の航空便(札幌-ユジノサハリンスク線)を制限するようロシア連邦政府に働きかける予定。また,北海道からサハリンに到着した外国人は14日間療養検疫ポイントに収容される。
●当該発表について当領事館が当地外交当局に確認したところ,本日3月1日以降,外国人は札幌発ユジノサハリンスク着のオーロラ航空に搭乗を認められない。
2月29日,サハリン州政府は,北海道のコロナウイルスに関する「非常事態宣言」を受けて,北海道とサハリン間の定期航路を3月5日から制限することをロシア連邦政府に働きかけることを発表しました。併せて,北海道から到着した外国人は,14日間療養検疫ポイントに収容されることになるとしております。
これを受けて当館が当地外交当局に確認したところ,本日3月1日以降,札幌発ユジノサハリンスク着のオーロラ航空には外国人の搭乗は認められないとのことです。また,オーロラ航空の成田-ユジノサハリンスク便については通常通り運行が続く見込みですが,外国人については空港到着時に症状が認められる場合には検疫対象になるとのことです。
当館としては,上記の情報について詳細を確認していくとともに,日本からサハリンに来訪される日本人に対する対応について引き続き情報収集し,随時情報を更新して参ります。皆さま方におかれましても当館からの領事メールやHPに留意いただくとともに,オーロラ航空を始めロシア側関係組織から発出される最新の情報にもご留意くださいますようお願い申し上げます。
(参考)
1 サハリン州政府による発表
https://sakhalin.gov.ru/index.php?id=105&tx_ttnews%5Btt_news%5D=14357&cHash=33aa67699be1956ddceb59cecceb9eda
2 当該発表の当館仮訳
(1) コロナウイルスのため,サハリン州において北海道との定期便の制限が提案された
(2) これについて本2月29日,サハリン州非常事態委員会の衛生・伝染病予防分科会の拡大会合において明らかとなった。会合は,北海道における感染の拡大に関連し,リマレンコ知事が緊急に開催した。現在北海道において66名の感染者がおり,緊急事態が導入された。
(3) 「リ」知事は,「我々は,北海道の最も近い隣人である。我々にはこの地域との緊密な観光・文化関係が構築された。しかし,本状況下における我々の課題は,我々の市民の健康について最大限配慮することである。」と強調した。「まさにこのため,非常事態委員会の分科会は本日,ロシア連邦政府に対して,北海道との定期交通便を3月5日から特別な指示があるまで制限することを要請するため働きかけることの必要性について決定した。」
(4) 北海道からの全到着者のために,サハリンにおいて検疫対策が組織されている。例えば,サハリン州の住民は病気の兆候がない場合は14日間の自宅療養となる。彼らの健康状態を,保健省と露連邦消費者監督庁の職員が観察する。
(5) 外国国民は上記期間に療養検疫ポイントに収容される。このために,療養施設が特定され,必要な条件が整えられ,医療観察が組織され,コロナウイルスによる伝染の分析を検査しているノヴォシビルスクの研究所との協力が構築された。
(6) すでにサハリン州において,東南アジア諸国からサハリンへの到着者の健康状態の統率が組織された。州保健省の職員が航空・海上交通の全ての乗客を検査している-専門家が赤外線装置により各乗客の体温を測定し,随伴する症状の検査を実施している。