当地医療事情
医療施設
ロシアでは、外来専用医療機関(診療所)と入院施設(病院)は別の建物で、入院が必要な場合には、診療所から病院に紹介されるシステムになっています。ただし、夜間や休日の救急対応は基本的には病院で行われています。ユジノサハリンスクにも私立の診療所 はわずかに存在しますが、病院は全て公立です。一般的に、当地の医療施設では、ロシア語以外の言語はほとんど通じません。ほとんどの施設は、ロシアの公的保険証を持っていない外国人でも受診することができますが、言語や医療システムの違いなどから、実際に受診の際には、様々な不便や困難が予想されます。
当地には、世界規模の医療アシスタンス会社であるプロメダシストがあります。こちらは会員制クリニックのため、在留の外国人が利用するには、原則として事前に会員登録が必要です。ただし、旅行者や短期出張者は会員登録なしに利用可能です。受付をはじめ、医療スタッフも全員英語が話せます。 当地で唯一英語の通じる医療機関です。同施設には西ヨーロッパで研修を受けた外国人医師と地元のロシア人医師が勤務しています。同施設は外来診療のみですが、診療時間や受付時間外でも、24時間対応で救急患者の受け入れを行っています。札幌まで小型飛行機でも1時間20分 ほどで移動できる当地の利便性から、重傷の症例は、日本をはじめとした近隣諸国へ移送されることが多く、同クリニックは患者移送の手配にも慣れています。地元の医療機関との連携も しっかりしており、当地で精密検査や入院治療が必要な場合には、アレンジを迅速に行い、場合 によっては英語の話せるロシア人医師が同行してくれます。外国人にはとても利用しやすい医療 機関ですが、前述のように会員制であり診療費は日本と比較するとかなり高額です(海外旅行者保険に対応しています)。
いずれにせよ、当地の医療レベルは高いとは言えず、当地在住のロシア人でも費用が許せば日本や近隣諸国の医療機関を受診したいと思っている人が多くみられます。病気や怪我で日本へ移送と なる場合には、病状の重篤度ばかりでなく当地から日本への直行便が毎日運行していない現実からも、チャーター機を利用せざるをえない場合も想定され、当地での医療費、移送費ともに高額の費用になる こともありますので、緊急時に備え、渡航前に緊急移送も保険対象となる海外旅行保険等に加入されることを強くお勧めします。
健康管理
万が一に備え、家庭常備薬(かぜ薬、解熱鎮痛剤、胃腸薬、虫刺され薬、怪我の消毒薬、絆創膏、 市販総合ビタミン剤等)を備えておくことをお勧めします。
アレルギー性鼻炎、胃潰瘍、糖尿病などの長期投薬が見込まれる慢性疾患に罹患している方は、渡航前にはかかりつけの病院へ受診し、一時帰国の際には必ずかかりつけの病院へ受診するなどして、 薬が足りないという状況がないように、前もって段取りをお願いします。なお、当地薬局でも各種医薬品が販売されていますが、薬剤規格が異なっているなど、必ずしも同じ薬剤を入手可能とは言えませんので注意して下さい。
予防接種については、A型肝炎、B型肝炎、破傷風などのワクチンを受けておくと安心です。なお、予防接種は、多くのワクチンが間隔を開けて数回の接種が必要です。
当地での予防接種
予防接種は、感染症を防御する上で有用であるのは勿論ですが、わずかではありますが一定の確率で副反応が起きることがあります。副反応は、接種部位局所の発赤など軽微なものから、重篤な後遺症が残ったり死亡に至るものまで様々です。海外で接種を行う場合、特に外国製のワクチンを接種の場合には、原則として予防接種により健康被害が生じた場合の補償(医薬品副作用被害救済制度など)を受けること はできません。海外で予防接種をされるにあたっては、ご自身の体質や体調、海外で予防接種を受ける必要性と、最悪の健康被害が生じた場合の危険性を十分にご考慮ください。本邦で接種可能なワクチンは、赴任前もしくは一時帰国の際に接種されるのが理想的です。
当地では、公立や私立の診療所でワクチンを接種してもらうことができます。公立の診療所では、診療所へ予約の後、当地の薬剤販売業者で患者自身がワクチンの購入手続きを前日までにすませてから(薬剤は, 販売業者から直接診療所へ送られます)、接種してもらうシステムになっています。私立の診療所では、事 前予約を行えば、予約日まで診療所側でワクチンを準備しておいてくれます。一部のワクチンは、自身で当地の薬剤販売業者から購入して持ち込みをしても接種してくれるようです。何れにしましても,事前に診療 所に連絡をして手順を確認することが必要です。
当地でのインフルエンザ予防接種
毎年10月ごろより、インフルエンザ予防接種キャンペーンが行われるようです。第2診療所では、期間中、 ロシア製のワクチンを無料接種しています(外国人も可)。こちらでは、薬剤販売業者で購入手続きをして、外国製のワクチンの接種を依頼することも可能のようです。私立のクリニックでは、有料で、外国製の ワクチン(Influvac もしくはVaxigrip)の接種を行っています。
予防接種を行っている診療所
| 医療機関名称 | 電話番号 | 住所 | 備考 | |
|---|---|---|---|---|
| ユジノサハリンスク中央診療所(2号館)※ | 49-90-50 | 85 Mira Pr | (公立)インフルエンザ予防接種が可能。 | |
| ユジノサハリンスク中央診療所(4号館)※ | 55-24-76 | 200 Komsomolskaya Str. | (公立)ダニ脳炎予防接種が可能。 | |
| ユジノサハリンスク中央診療所(7号館)(外科)※ | 72-84-99 72-83-16 |
56-A Mira Pr. | (公立)狂犬病の予防接種が可能。 | |
| 州立小児科診療所※ | 22-02-55 | 2 Emelyanova Str | (公立)小児の予防接種,黄熱病のイエローカード発行も可能(大人も可)。外国人は事前連絡要。 | |
| プロメダシスト | 46-29-11 | 7-1 Militseiskaya Str. | (私立)会員制のため,事前に会員登録要。 | |
当地でかかりやすい病気
夏期には下痢症や虫刺症に、冬期には風邪や乾皮症に罹患しやすく、また、冬期は道が凍っているために転倒等により打撲や捻挫を生じることもあります。上記の各疾患に対しての飲み薬や外用剤、また乾皮症対策のスキンケアとして保湿剤を持参することをお勧めいたします。
感染症
ダニ脳炎
森林地帯に棲息するマダニに咬まれることにより発症するウイルス性感染症で、春から秋に かけて流行します。1~2週間の潜伏期を経て発熱や頭痛、後に神経症状を呈します。サハリン州では2009年に1例の発症者が報告されましたが、18年ぶりということで(その以前は1991年)、死亡 例は1986年の1例以来、報告されていません。ただし、ダニ脳炎ウィルスを保有するダニは当地でも確認されており、長期滞在者で郊外へ出かける機会の多い方、春から夏かけての期間に大陸方面への滞在を予定されている方は,ダニ脳炎の予防として,ワクチンの接種が推奨されます。なお,日本ではワクチンが流通していないために接種できません。当地では、公立や私立の診療所でワクチンを接種 してもらうことができます。
ライム病
マダニに咬まれることにより発症するスピロヘータ感染症です。3日~1ヶ月の潜伏期の後、咬まれた部位に紅斑が出て拡大し、発熱、頭痛、嘔吐を伴います。続発症状として関節炎、神経症状、心症状が出現します。治療は抗生剤を投与することとなりますが、現在ワクチンは市販されていません。いずれの疾患も、ダニに咬まれないよう、アウトドアを楽しむ場合には体の露出部分を少なくする配慮が必要です。虫除けスプレーやアウトドア用の衣服を用意することをお勧めいたします。
その他、外務省HPの「世界の医療事情」も併せてご参照くださいませ。
(https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/europe/y_sakhalinsk.html )
医療機関連絡先
救急車はダイヤル「03」です。ロシア語のみしか通じません。また,到着まで時間がかかることもあります。
| 医療機関名称 | 電話番号・住所 | |
|---|---|---|
| プロメダシスト | 46-29-11 (7-1 Militseiskaya Str.) | |
| 小児科診療所 | 22-02-55 (2 Emelyanova Str.) | |
| ユジノサハリンスク中央診療所(7号館)(外科) | 72-84-99、72-83-16 (56-A Mira Pr.) | |
| 市立病院 | 76-11-64 (1a Ankudinov Str.) | |
| サハリン州立病院 | 49-73-00 (430 Mira Pr.) | |
| 州立小児科診療所 | 22-02-55 (311 Lenin Str.) | |
| Avtorskaya Clinika(歯科) | 51-55-07 (422a Mira Pr. ) | |
| Megadent(歯科) | 43-30-80 (154 Lenin Str.) | |
| Radix(歯科) | 50-00-50 (65a Pobeda Str.) | |
| Artmost (歯科) | 43-77-88 (279 Lenin Str.) | |
薬剤販売業者例:有限会社 ビルゴ(Вирго)
住所: 29 Tikhookeanskaya Str., office #3
電話: 46-82-50